日焼け止めはSPFの数字より塗る量。表示どおりに効かせる条件を調べた

コスパ検証

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日焼け止めの棚に行くと、まず目に入るのが「SPF50+ PA++++」という表示です。数字が大きいほど強いのだから、どうせ買うなら一番上を選んでおけばいい——ずっとそう思っていました。

ところが調べていくと、SPFの数字選びより先に、もっと効く変数がありました。しかも、それは無料でできる話でした。

先に結論
・SPFの表示値は「1cm²あたり2mg」を塗った条件で測定されている
・実際にはこの半分以下しか塗っていない人が多い。足りない量ではSPF50も表示どおりには働かない
・つまりSPF50を薄く塗るより、SPF30を規定量塗るほうが確実
・成分で見る軸は「紫外線吸収剤」か「散乱剤(ノンケミカル)」か。上下ではなく用途違い

SPFとPAは、それぞれ別の波長を見ている

まず表示の読み方です。この2つはまったく別のものを指しています。

表示 防いでいる紫外線 最大値 関係する影響
SPF UVB(紫外線B波) 50+ 肌が赤くなる、黒くなるタイプの日焼け
PA UVA(紫外線A波) ++++ シワ・たるみなど、肌の老化に関わる変化

UVAは窓ガラスを透過し、曇りの日でも降り注ぎます。「今日は曇りだから」「室内だから」で油断できるのはSPF側だけで、PA側はそうではないということです。日常使いの製品を選ぶとき、SPFの数字ばかり見てPAを見ていなかったのは、自分の失敗でした。

本題:SPF50を買っても、SPF50として使えていない

ここが今回いちばん重要な部分です。

SPFやPAの数値は、肌1cm²あたり2mgを塗った状態という国際的に決まった条件で測定されています。この量が、実際にはかなり多いのです。顔全体で言うとパール粒2つ分、およそ0.8g。実際に手に出してみると「こんなに塗るのか」と驚く量です。

多くの人が実際に塗っているのは、この半分から4分の1程度と言われています。そして塗る量が減ると、防御力は量に比例して素直に落ちるわけではなく、それ以上に大きく落ちます

結果としてどうなるか。SPF50+の製品を半分の量で塗った状態は、SPF50として機能していません。パッケージの数字は、あくまで規定量を塗ったときの上限値です。

だから、製品を上げるより先に量を増やすほうが効きます。SPF30を規定量きちんと塗るほうが、SPF50+を薄く伸ばすより確実です。そして塗り直しも同じ理屈で、汗や皮脂、衣類との摩擦で落ちるので2〜3時間ごとが目安になります。1日1回、朝に塗って終わりでは、昼過ぎには当初の状態を保てていません。

これは製品選びの話ではなく使い方の話なので、いま持っている日焼け止めのままコストゼロで改善できます。新しいものを買う前に、まず量と回数を見直すほうが順番として正しいと思います。

成分の軸は「吸収剤」か「散乱剤」か

量の話を踏まえたうえで、製品を選ぶ軸に入ります。紫外線を防ぐ方式は大きく2種類あります。

紫外線吸収剤(ケミカル) 紫外線散乱剤(ノンケミカル)
仕組み 紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出する 酸化チタン・酸化亜鉛などの粉体が、紫外線を反射・散乱させる
使用感 透明で白浮きしない。伸びが良い 白浮きしやすく、ややきしむ感触が出やすい
高いSPF 実現しやすい やや作りにくい
肌への負担 化学反応を伴うため、刺激を感じる人がいる 化学反応を起こさないため、刺激を感じにくいとされる
向く場面 屋外レジャー、しっかり防ぎたい日、メイク下 敏感肌、子ども、毎日の日常使い

大事なのは、これは優劣ではなく用途の違いだということです。「ノンケミカルのほうが良い製品」という話ではありません。白浮きが気になって塗る量をケチってしまうなら、上に書いたとおり本末転倒です。気持ちよく規定量を塗れるほうが、結果的に強いという見方をしたほうが実態に合います。

用途別に選ぶ

屋外でしっかり防ぎたい日:アネッサ パーフェクトUV

高SPF・ウォータープルーフの定番です。汗や水に強い設計で、海やプール、長時間の屋外活動といった「落ちる要因が多い場面」で選ぶ製品です。伸びが良く白浮きしにくいので、規定量を塗り切りやすいのも実用上の利点になります。

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毎日たっぷり使う前提:ビオレUV アクアリッチ

プチプラの定番で、みずみずしい使用感が特徴です。今回の結論からすると、この「気軽に多めに塗れる」という性質そのものが実用上の強みになります。高価な製品を惜しみながら薄く塗るより、価格を気にせず規定量を塗れるほうが、実際の防御力は上になり得ます。

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刺激が気になるなら:ニベアUV プロテクトウォーターミルク マイルド

紫外線吸収剤を使わないノンケミカル処方で、無香料・無着色・ノンアルコール。吸収剤入りの製品で刺激を感じたことがあるなら、まず試す価格帯にあります。ミルクタイプで伸びが比較的スムーズなので、ノンケミカルにありがちな塗りにくさが出にくいのも選びやすい点です。

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子どもに使うなら:ビオレUV キッズ

紫外線吸収剤不使用に加えて、アルコール・パラベン・香料・着色料も不使用の設計です。SPF50でウォータープルーフなので、プールや外遊びのように落ちる要因が多い場面でも使えます。子ども用は「弱い代わりに優しい」製品だと思い込んでいましたが、防御力を落とさずに刺激要因だけを減らす作りになっていました。

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敏感肌でも防御力を落としたくない:アネッサの敏感肌用ノンケミカル

ノンケミカルは高いSPFを作りにくいという弱点がありますが、この領域も製品が出てきています。ウォータープルーフかつ石けんで落とせる設計で、「刺激は避けたいが屋外でも使いたい」という、これまで選択肢が少なかった条件に応えるものです。価格帯は上がります。

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まとめ:数字を上げるより、量と回数を上げる

  1. 量が最優先。顔全体でパール粒2つ分(約0.8g)。足りなければSPF50+も表示どおりには働かない
  2. 次に回数。2〜3時間ごとに塗り直す。朝1回では持たない
  3. PAも見る。UVAは曇りでも窓越しでも届く。日常使いこそPAの表示を確認する
  4. 吸収剤かノンケミカルかは用途違い。刺激が気になるならノンケミカル、しっかり防ぐなら吸収剤
  5. 塗るのが億劫にならない製品を選ぶ。使用感と価格は、結果的に防御力に直結する

調べる前は「一番数字の大きいものを買えばいい」と思っていました。実際には、数字を1段上げるより、いま持っているものを倍の量塗るほうが効く——これが今回の結論です。

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※本記事は市販製品の公開情報(メーカー公表のSPF/PA値・成分表示)をもとに整理したものです。肌に合うかどうかには個人差があります。刺激や異常を感じた場合は使用を中止し、皮膚科医にご相談ください。使用前に製品の注意書きをご確認ください。

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